小日記

日々のちょっとしたこと

アルゴ

映画アルゴ見てきました。

超超おもしろかった!終始ドキドキするので、心臓に悪いです!!

「イランアメリカ大使館人質事件」という事件が元になったお話です。
イランアメリカ大使館人質事件 - Wikipedia

以下ネタバレなしです。

○あらすじ
1979年11月4日、イランの過激派がアメリカ大使館を占拠する。混乱の中6人が脱出しカナダ大使の私邸に逃げ込むが、残った52人の大使館員は人質となる。イラン側は、癌の治療のために渡米した前国王パーレビの引き渡しを要求する。大使館員の写真つき名簿は襲撃前にシュレッダーにかけていたが、名簿が復元されれば脱出者がばれ、捕まれば処刑される。国務省はCIAに応援を要請し、人質奪還のプロ、トニー・メンデス(ベン・アフレック)が呼ばれる。トニーは、6人をニセ映画のロケハンに来たカナダの映画クルーに仕立て上げて出国させるという作戦をひらめきますが……。(goo映画より)

この話、実話が元になってるなんて信じられない!
人質救出劇なので、人の命がかかっているためずっと緊迫感がハンパないのですが、「映画クルーに仕立て上げて出国させる」というコミカルさ、映画関係者たちを集めて記者会見まで開いて世界中をだまそうとするワクワク感、これらがぐちゃぐちゃに混ざって超面白いんです!

そしてずっと時間との戦い。
イラン過激派に脱出者6人の居所が見つかりそう! 脱出時にシュレッダーにかけた脱出者6人の顔写真が再生されそう! 事務所にかけた電話に誰も出なそう! 飛行機が離陸しそう! イラン過激派に追いつかれそう!……もう、ずーっとドキドキ。

エンドロールのときに、当時の写真と映画のカットが並列して紹介されるんですが、雰囲気とか全く同じなんです。ドキュメンタリーみたいですよ。



イラン革命真っ最中のイランが舞台になってます。
イランアメリカ大使館人質事件が起こるまでの流れを以下にまとめてみました。

1950年代、民主的に選出されたモサデクさんが首相になる。そして皇帝パーレビさんは亡命。
このとき、イランの石油はアメリカが支配していたのですが、民の味方モサデクさんは、石油を国有化してみんなのものにする。
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おもしろくないアメリカ。反モサデク勢力の組織化を援助したり、イランクーデターを起こしたりして、モサデクさんを失脚させる。
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亡命していたパーレビさんカムバック。それと同時に、政治に対する皇帝の権限の制約を撤廃。パーレビさんの独裁政治がはじまり、近代革命を推し進めます。
パーレビさんはめっちゃ浪費家。マリーアントワネットみたいな感じ。しかもパーレビさんは権力維持のために、秘密警察を創設し、拷問と恐怖の時代がはじまります。
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民飢える。
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パーレビさんに国外追放されていた、反パーレビ派のホメイニ師という人がいました。
ホメイニ師を中傷する記事が出まわったことをきかっけに、国内各地で反政府デモと暴動が多発するようになる。
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デモが激しくなっていき、公然と反皇帝が叫ばれるようになる。
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こまったパーレビさんアメリカに亡命(癌の治療というめいもくで)。
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アメリカ「イランの新政府と仲悪くなりたくないな……。でもパーレビさんの友だちの元国務長官が受け入れろって言ってるしなぁ……。」
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「人道的見地」からという理由で、パーレビさんを受け入れる。
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ホメイニ師帰国。
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ホメイニ師の仲間たち「アメリカのせいでパーレビ独裁政治になってひどいめにあったし、さらにパーレビの亡命を受け入れるなんてアメリカむかつく!」
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イランアメリカ大使館事件勃発(ここからアリゴで描かれているところ)
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ホメイニ師の仲間たち「人質の命がほしかったら、パーレビを返せ! パーレビを裁判にかけて殺してやる〜!」

………といったところでしょうか。※間違っているところがあったらコメントでご指摘ください!
面白かったのでたくさん調べてしまいました。


私の好きなイランの映画に「別離」という作品があります。

別離 [DVD]

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「別離」では現代のイランの問題について描いています。
この「アルゴ」で描かれているイラン革命後に、女性の進学率向上や高学歴化など、教育や女性の地位に関して変化が起きたそうなんですね。「別離」では、その変化に伴って出てきた問題についても描いています。
以前書いた「別離」についての記事→4/22 イランと日本 - 小日記

「アルゴ」と「別離」合わせて見ても興味深いと思う!