小日記

日々のちょっとしたこと

4/6 王国

昼に起床。

雨が降ってきたのでお花見の予定をドタキャンする。
掃除などして過ごす。

本読みました。
中村文則「王国」

王国

王国

※以下、「王国」と「掏摸」のネタバレが少しあります。

ものすごくおもしろくてテンション上がった!
最後の、タクシードライバーとのやりとりにキュンとしました。
あのシーンが大好きすぎて、あそこだけ何回も読み返した。

怖くてふるえたセリフ↓

「人間を優しく手助けするときが快楽なんだそうだ。その後の破壊を思ってではない。人間を助けている自分の優しさそれ自体に、陶酔するらしい。だがその後その相手が救われると、あいつは怒りを覚える。なぜ不幸じゃないんだと。……そしてボロボロにする。ちょうど自分が優しくした分だけ。……あんな顔してるのにな」

これ、気が弱くていい人そうな青年の正体なんです。怖い。

また、木崎は今回も最強の存在で、彼は文学界範馬勇次郎なんじゃないでしょうか。

この「王国」は「掏摸」の続編なのだけど、わたしは「掏摸」の主人公が大好きなので、もっと出てきてほしかったなー。

掏摸(スリ) (河出文庫)

掏摸(スリ) (河出文庫)

「掏摸」の主人公が主役の話、また書いてくれないかな。「掏摸2」……書かないだろうなぁ。


中村文則を読み始めたのはごく最近なのですが、存在は前から知ってました。
たしか、神聖かまってちゃんが表紙だったときのクイックジャパンで、山崎ナオコーラ西加奈子と「同い年対談」をしていたのが知ったきっかけ。

そのときの印象は、「顔がかっこいい!」でした。
しかし、すぐに小説を読んでみることはしなかったのです。なぜなら、わたしが今まで「顔がかっこいい!」と思って読んでみた作者の小説って、あまりピンとこないことが多かったから。

中学生の時、国語の資料集で中原中也を見て「顔がかっこいい!」と思ったのが最初。
そのあと、吉行淳之介町田康なども同じように思いましたが、どれも小説の世界観に入り込めなかった(好きっていう人がいるのは十分わかるので、好みの問題なんだと思います)
で、中村文則もあまりハマれないだろうな〜、と顔で判断していたのですが。お友だちに勧められ、勧められたことを忘れた頃になんとなく読んでみたら、超おもしろい!!ってなりました。

前に、「悪意の手記」を読んだあとに寝たら、とんでもなく怖い夢を見たので、違う本をパラっと読んで、気分を変えてから寝ました。

電気グルーヴのメロン牧場―花嫁は死神〈4〉

電気グルーヴのメロン牧場―花嫁は死神〈4〉

これも大好きです。1〜4まで、いつも発売日くらいに買ってます。


↓「悪意の手記」はコレ

悪意の手記 (新潮文庫)

悪意の手記 (新潮文庫)