こまーい描写が大好き
向田邦子の小説で、好きなシーンがふたつあります。
すごくさりげないので、読んだことある人に説明してもだいたい「全く記憶にない」と言われてしまいますが、わたしは大好きなシーンです。
超うろ覚えで書きます。
1つ目
『あ・うん』
- 作者: 向田邦子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/08/01
- メディア: 文庫
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ある夏の日の縁側で、
仙吉 たみ 門倉
という並びで座っている。
たみがうちわを持って、仙吉をあおいであげている。でも3回に1回ぐらいは、門倉のこともあおいであげるのです。
何も知らない仙吉、たみの複雑な気持ちと均衡を保とうとする意志、門倉の淡い気持ち。それぞれを抱きながらの、このさりげない描写にグッときまくります。
2つ目
『桃から生まれた桃太郎』
- 作者: 向田邦子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1999/08/05
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何でか忘れちゃったんですが、要次がお土産か何かで桃子の家にスイカを丸々一個持って行きます。同じ日に、竜造もお土産か何かでスイカを丸々一個持って帰ってきます。
竜造と桃子は二人暮らし。二人きりになってから、大きなスイカ2つを目の前にして「これどうすんよ…」ってなるクスッとさせるシーン。
で、「とりあえず食べよう」と言って竜造がポンと手を置いたのは、要次が持ってきたほうのスイカ。
竜造は要次のことをよく思ってなかったのに、どっちのスイカから食べても同じなのに、心の機微(要次のことを認めはじめている)がわかるこの場面にグッときまくります。
(これらのシーンの解釈が間違っていたらすみません)
ちなみにわたしが世界で一番好きな本は向田邦子の『思い出トランプ』で、そのなかの「ダウト」という暗い話がめっちゃ好きです。
- 作者: 向田邦子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1983/05
- メディア: 文庫
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