小日記

日々のちょっとしたこと

サルなりに思い出す事など

剥製師(わたし)大活躍で、その場にあった錆びたメスだけを使って華麗に皮を剥いだ、イノシシの頭骨を譲り受けた。

 
今日はちょうどルームシェアをしている友だちが外泊。それをいいことに、頭骨を標本にするべく鍋で煮てる。
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持って帰るあいだに腐らないようにと一緒に容器に入れた雪ごと鍋に投入。
ルームシェア相手はわたしを相当変わり者だと思っているふしがあり、「きのう家でイノシシの頭を煮たよ」と伝えたらきっと爆笑して突っ込みを入れるだろうな。
 
 
以前恋人と一緒に住んでいたときも、アナグマの頭骨を譲り受けたことがあった。
その日もちょうど同居人は外泊の予定で、「これは頭骨標本を作るチャンス!」と思い、ウキウキしてそれ用に鍋を購入して帰宅し、キッチンの戸をぴっちり閉めてラジオをつけながら頭骨が煮られるのを眺めていた。
すると、予定が変わったようで、恋人が帰ってきた。
浮気現場を見るほうがまだマシだったと思う。自分の彼女がコトコトと鍋で煮ているのは、ウジがわきかけている(夏だったので)、皮を剥がされた動物の頭だったのだから。
「おいおい家ではやらないでよ、この臭いどうするのさ」とあからさまに嫌な顔をするのは至極当然の反応。そのことを頭では理解はしつつも、わたしは少しさみしい気持ちになった……ような気がしないでもない。もう忘れちゃった。
 
 
さて、標本作りは孤独な作業だな。まずは6時間ぐらい頭骨を煮続けなくちゃいけないので、コンロの前で読書がはかどる。
絶叫委員会 (ちくま文庫)

絶叫委員会 (ちくま文庫)

 
サルなりに思い出す事など ―― 神経科学者がヒヒと暮らした奇天烈な日々

サルなりに思い出す事など ―― 神経科学者がヒヒと暮らした奇天烈な日々

 


日付けが変わって今日はバレンタインデーで、今ごろ女の子たちのキッチンは湯せんで溶かされたチョコレートの香りでいっぱい。一方わたしの悩みと言えば、獣くさくなった我が家のキッチンのにおいをどうするか。あと、朝までにこの頭骨標本を作り終えられるかどうか。もうすでに眠いよ。